メグ・ヒックリングさんの講演会

―メグ・ヒックリングさんから学ぶ子どもと性を語る言葉―
( 2002.4.23 掛川美感ホールにて )

〔その2〕



 さて、第3段階は8歳〜14歳(ちょっと幅が広い。第2段階の年齢でも精神的な成長が早い子はこの段階に含まれるということか)。
 『何でも気持ち悪がる子どもたち』。
 
 メグさんは学校で小学校5年生くらいの子たちに話すとき、「今日は体の科学について話すから、みなさんも科学者になったつもりで聞いてください。」と言うのだそうだ。「科学者だったら『うえ〜、気持ち悪い!』なんて言わずに、『そうか、なるほどなるほど(=interestingとおもむろに)。』と言うのよ。」と。
 そうすると、時には1時間に25回くらい「Interesting.」という言葉が聞かれるのだそうだ。
 この年齢の子どもたちがいちばん知識が必要。

      

 おりしも新聞の相談コーナーに載っていたのが次のもの。
 「小学校の壁に落書きがあった。女性の胸を強調したもので、『さわりたい、なめたい』などという言葉が書かれていた。どのように指導したらよいのか。」――それに対する回答が次。
 
 「そういう落書きを見て、子どもたちはどう感じたのか、感想を出し合うことができたらいいですね。誰がやったという追求のためではなく、体を見せ物のように表現されたり冷やかしの対象にされたりしたら、女性はどんな思いをするか理解させるためです。また女・男を超えて『人が通常下着や水着で隠しているような部分を人前にさらすとしたらどんな思いがするか』ということについて考えさせるといいと思います。
 (―中略)
 今、社会には大人たちが大量生産している『商品としての性』があふれており、子どもたちもその影響下にあることは事実。しかし校内の落書きを別の視点から見れば、『ぼくたちは体や性についてこれくらいしかしらないんだ、もっと正しい情報を教えてほしい』という彼らからのメッセージでもあります。そこをきちんと受け止め、学校として性教育の必要性について全職員で再確認する機会とすべきです。落書きの対象とされる者の心の痛みに対する想像力もそういう中で培われるでしょう。公共物に対する落書きがよくないことを、単にお説教して終わるようなことだけは避けたいものです。」(回答者:元小学校教師 しんぶん『赤旗』日曜版4/28より)

 ――性教育がきちんとされてないとこういうことが起こる、という典型的な例だな〜…と納得。

 思春期はからだの変化が大きく起こる時期なので、親がそのことを子どもに話してないと、ひとりで悩む子どもが多い。
 そういう変化のこと、そして個人差があることなど、「科学ですよ。」と冷静に話をすれば、子どもたちはきちんと聞くとメグさんは言う。
 もちろん男女一緒に聞く、知るということ。
 お互いの体のことを知ることが大事なのだ。 

     

 第4段階は中・高生。
 『自分が無知なことを知らない子どもたち』。――私はなんでも知っている。…そして大人でもこのレベルにとどまっている人がいる。

 そして第5段階は性的に成熟した大人。新しいものを取り入れようとするオープンな心を持っている。
 10代でもちゃんとした知識があり、オープンな心をもっている子は、きちんと耳を傾けるし、自分がまだそれにふさわしくない年齢だということを知っているから、やたらセックスしたりしない。
 国連が17カ国で調査を行ったところ、小さい頃から充分教育を受けた若者は、初めてセックスをした年齢が、何も教育を受けていない若者よりも4年遅い――という結果が出たそう。理解が進めば進むほど、いろんな危険性がわかってくるということだ。

 性感染症。約50種のうち8種類は死に至る。そのうち抗生物質が効くのはわずか3種。
 避妊、性感染症を防ぐのはコンドームのみ。――ガールフレンドを守るだけでなく、自分を守るためにもコンドームをつける意識を。
 それともうひとつ、喫煙の危険性。喫煙は生殖器にも害を及ぼす(ニコチンは卵巣・精巣に蓄積されるそうだ)。
 カナダでは1年3ヶ月前から、タバコの箱の中に『タバコは危険』という被害のカラー写真(いろんな癌の)がはいっているそうだ。

     

 中学でもエイズのことを学び、その恐ろしさが少しはわかっていると思うのだけど、科学的な知識としてどこまで教えられているのだろう。

 性に対してオープンな心を持つことが、自分自身を解放することだということ。そして私はいまだに解放されていない大人だったということ。
 メグさんのお話を聴いているうちに、それが少しずつわかってきた。
 そして、子どもたちとそういう話ができるようにならなければ、心から打ち解けていろんな話ができる関係にはなれないのでは…と思ってしまった。(私自身、親に話せなかったことはたくさんあるからだ。話す必要がないということももちろんあるけど。)

 講演会が始まる前、メグさんの著書『メグさんの性教育読本 Speaking of SEX』(三輪妙子訳、発行ビデオ・ドック、発売木犀社)が売られているのを手にとった私は、購入するのを躊躇してしまった。あからさまな言葉がページをめくるたびに目に飛び込んでくるからだ。
 しかし、メグさんの講演を聴いたあとで、買わなかったことを後悔した(あ、もう売り切れて買えないなと思った)。自分の中で性に対する意識を押しとどめていた何かがぱ〜んとはじけてなくなっているのを感じた。

 
   

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